Rainbow – Straight Between the Eyes

(邦題)レインボー『闇からの一撃』

(1982年作品)

収録曲:

01. Death Alley Driver

02. Stone Cold

03. Bring on the Night (Dream Chaser)

04. Tite Squeeze

05. Tearin’ Out My Heart

06. Power

07. MISS Mistreated

08. Rock Fever

09. Eyes of Fire




サウンドの変化と異色作

前作『アイ・サレンダー』によってジョー・リン・ターナーのヴォーカルが遺憾なく発揮され、新しいレインボーがアメリカン・マーケットへ進出していくのであるが、それを最後にキーボードのドン・エイリーが脱退となる。

本作『闇からの一撃』はヴォーカルのジョーにとっては二枚目、そして新たなるキーボードとしてデイブ・ローゼンサルが加入のアルバムである。

 

ちなみに、一般的にはレインボーの作品の中で「異色作」として位置づけられている本作『闇からの一撃』であるが…

「駄作」とまで酷評されることもある作品でもある。

だからこそ、今一度この耳で聴いてみようではないか!

はたしてこのアルバムはどのようなサウンドなのか?

 

では、

Rainbow 六枚目のアルバム

Straight Between the Eyes

についてレビューしていこう。

 

レビュー

ありきたりな表現であるが「インパクト」のあるアルバムジャケットである。

アルバムタイトルである「Straight Between the Eyes」を表現しているデザインであろうか?

 

一曲目「Death Alley Driver」でアルバムは幕を開ける。

ディープ・パープルの「Highway Star」を彷彿とさせるような一曲目にふさわしいスピードナンバーである。しかしもちろんヴォーカルはジョーであり、サウンド面においても80年代レインボーというべき洗練されたイメージだ。

二曲目は「Stone Cold」、バラードナンバー。ムードたっぷりで聴かせる美しいメロディーが印象的である。

三曲目「Bring on the Night」、アメリカンなポップナンバーであろうか?キャッチーなサビのメロディは素晴らしいのであるが、それゆえにレインボーという「枠」を越えてしまっているような印象である。

四曲目「Tite Squeeze」、さらにアメリカンなナンバーである。どことなく「第三期」ディープ・パープルを彷彿させるようなサウンドともいえようか?

五曲目「Tearin’ Out My Heart」、バラードナンバーであるが二曲目の「Stone Cold」とは対照的にダイナミックに展開されていく激しさが印象的である。

 

ここまで聴けばおわかりいただけるだろうか?

一曲目以外には、かつてのレインボーのサウンドが希薄なのである。

もちろんそれぞれの曲自体は悪くはなく、むしろ素晴らしい。しかし、なぜレインボーがアメリカンロックをやるのか?

当時のリアルタイム世代であるレインボー・ファンは複雑な心境であったであろう。

 

アルバムは後半部分へ…

六曲目「Power」、歯切れの良いリッチーのギターカッティングが聴けるポップなナンバーである。

七曲目「MISS Mistreated」、レインボーらしいヘヴィかつメロディも印象的なナンバー。リッチーのギターの魅力も遺憾なく発揮されている。

八曲目「Rock Fever」、アメリカンロックである。曲調としてはロニーが歌う「If You Don’t Like Rock ‘n’ Roll」に近いのだが、ジョーが歌えば良くも悪くも「もろにアメリカン」となってしまうのは致し方ない。

そしてラストの九曲目「Eyes of Fire」であるが…

曲調だけでいえば、ロニー時代の「Gates of Babylon」やグラハム時代の「Eyes of the World」を彷彿とさせるかつてのレインボー・サウンドで締めくくる。

しかし逆の意味でいえば、ジョー・リン・ターナーの魅力が生かされていないのも事実であろう。

なぜここにきて過去のレインボーが?

という疑問を感じつつアルバムは幕を閉じる…

 

アルバムを聴き終えての感想を正直に述べさせていただこう。

前作『アイ・サレンダー』がハードロックとポップという相反する要素が絶妙なバランスで完成されているのに対して、本作『闇からの一撃』は中途半端な感は否めない。

ジョー・リン・ターナーというヴォーカルとリッチー・ブラックモアというギタリスト、それぞれの魅力が噛み合ってこそレインボーというバンドのサウンドとなるのであるから…

もしもあなたが今からリッチーやレインボーを知りたければ、このアルバムは代表作でもなければ「おすすめアルバム」でもない。

ファーストアルバムから順番に聴いていき、レインボーの魅力を感じていただければと思う。

しかし、レインボーの六枚目のアルバムである本作『闇からの一撃』は、リッチー崇拝者およびレインボー・ファンにとってはその当時のサウンドを聴いて新たなる発見が出来る作品であろう。

アルバムのバランスはさておいて、楽曲面においては素晴らしいのだから…

レインボー

リッチー・ブラックモア公式サイト
https://www.blackmoresnight.com/