Rainbow – Down to Earth

(邦題)レインボー『ダウン・トゥ・アース』

(1979年作品)

収録曲:

01. All Night Long

02. Eyes of the World

03. No Time to Lose

04. Makin’ Love

05. Since You Been Gone

06. Love’s No Friend

07. Danger Zone

08. Lost in Hollywood




ポップでストレートなハードロック路線!

前作『バビロンの城門』でアメリカン・マーケットを意識し始めたリッチー・ブラックモアであるが、音楽志向の違いからヴォーカルのロニー・ジェイムス・ディオはレインボーを去ることになった。

そして、新たなヴォーカルとして加入したのがグラハム・ボネットである。

ちなみに、本作『ダウン・トゥ・アース』からは元ディープ・パープルのロジャー・グローヴァーもベースとプロデュースで参加することになる。

 

当時のリッチーは、ポップでストレートなハードロック路線によってアメリカン・マーケットにおいて結果を出したかったようであるが…

はたしてこの作品はどのようなサウンドに進展しているのであろうか?

今一度聴いてみようではないか。

 

では、

Rainbow 四枚目のアルバム

Down to Earth

についてレビューしていこう。

 

レビュー

アルバムジャケットは、地球から宇宙へ向けて架けられたような虹のデザインである。

ファーストやセカンドで描かれていた芸術的イメージの虹とは違いコマーシャル感に近い印象であろうか?

 

一曲目「All Night Long」でアルバムは幕を開ける。

ハードロック感漂うシンプルなギターリフから、インパクト十分なグラハムのヴォーカルが展開されていく。

おそらく、当時のリスナーにとっては色々な意味で衝撃的であったであろう。なぜならこれまでのレインボーのロニー歌唱とはかけ離れたスタイルだからである。

しかし、グラハム・ボネットここに見参!ともいえるシンプルなハードロック・ナンバーである。

 

そして二曲目「Eyes of the World」であるが…

さらなるインパクトを与えてくれる!

新境地でありながらレインボーの魅力が発揮されているドラマティックなナンバーだ。リッチーならではのボトルネック奏法によるギターサウンドも素晴らしいが、それに加えてグラハムの金属的ともいえるハイトーン・ヴォーカルは今後における彼の象徴的スタイルともなっていくのである。

三曲目「No Time to Lose」、ストレートなロックンロール風ナンバー。グラハムの魅力がさらに発揮されていく。

四曲目「Makin’ Love」、静寂感が漂いつつもキャッチーなメロディが印象的なスローナンバー。

 

そしてアルバムは後半部分へ…

五曲目「Since You Been Gone」、ラス・バラードのカバー曲である。これまでにないようなレインボーのポップなナンバー。この曲がヒットすることによって当時賛否両論さえ巻き起こしたともいわれている。しかし皮肉にも「グラハムといえばこの曲」というイメージされる名曲でもあるのだ。

六曲目「Love’s No Friend」、レインボーによるブルースナンバー。歌っているのはもちろんグラハム・ボネットであるが、どことなく「第三期」ディープ・パープルを彷彿とさせる。

七曲目「Danger Zone」、シンプルなハードロック・ナンバー。ここでもグラハムの金属的なハイトーン・ヴォーカルが遺憾なく発揮されている。それに加え、リッチーならではの中近東風フレーズによるギターソロが堪能できる。

そして八曲目「Lost in Hollywood」、ラストにふさわしいテンションあふれるノリでアルバムを締めくくる!ハードロックの魅力が「ポップ&ストレート」に凝縮されたような曲であろう。

 

アルバムを聴き終えての感想を述べさせていただこう。

グラハムの歌唱はロニーとは全くと言っていいほどタイプが違うので、当時のリアルタイム世代のリスナーにとっては色々な意味で衝撃的な作品であったであろう。

しかし、コブシを効かせた曲線的なロニー・ジェイムス・ディオ、ハイトーンで直線的なスタイルのグラハム、今から考えればどちらも「ハードロックならではのヴォーカルスタイル」である。

それ以上に本作の凄いところは「アメリカン・マーケット」を意識したリッチーがバンドの音楽性を変化させていくにもかかわらず彼ならではのオリジナリティと魅力を伝えている点だ。

ハードなサウンドだけがハードロックではない。

大作主義だけがレインボーではない。

そのような意思が伝わって来るような素晴らしい作品であろう!

 

レインボー

リッチー・ブラックモア公式サイト
https://www.blackmoresnight.com/