Rainbow – Bent Out of Shape

(邦題)レインボー『ストリート・オブ・ドリームス』

(1983年作品)

収録曲:

01. Stranded

02. Can’t Let You Go

03. Fool for the Night

04. Fire Dance

05. Anybody There

06. Desperate Heart

07. Street of Dreams

08. Drinking with the Devil

09. Snowman

10. Make Your Move




後期の最高傑作!そして虹の終焉…

前作『闇からの一撃』を最後にドラマーのボビー・ロンデイネリが脱退、そして新たにチャック・バーギが加入となるのだが…

本作『ストリート・オブ・ドリームス』はレインボー7枚目のスタジオアルバムであり、ラストアルバムである(再結成作品は除いて)。

ちなみに、ファンならご存じであるとは思うが、同じラインナップで制作された作品はなく、レインボーというバンドはメンバーチェンジを繰り返しながら活動してきたのである。

まさに七色の虹のようにさまざまな色彩を放ちながら…

 

さて、本作『ストリート・オブ・ドリームス』であるが、一般的にはレインボー「後期の最高傑作」といわれている。前期におけるセカンドアルバム『虹を翔る覇者』は別格と位置付けられているからであろう。

そして、ジョー・リン・ターナーが歌う三作目であり、リッチーの目指すアメリカン・マーケットにおいてレインボーはその地位を確立しつつあった。

しかし、なぜこのアルバムを最後にレインボーは解散するのであろうか?

そのような疑問を抱きつつも、今一度聴いてみようではないか、レインボーのラスト作品を!

 

では、

Rainbow 七枚目のアルバム

Bent Out of Shape

についてレビューしていこう。

 

レビュー

アルバムは一曲目「Stranded」で幕を開ける。

シンプルでストレートなロックナンバーである。キャッチーなメロディと8ビートのベースにのる、リッチーのギターリフとアーミングを多用したソロが印象的である。

 

そして二曲目「Can’t Let You Go」、バロック風のオルガンで荘厳な雰囲気から曲が始まる、コンパクトながらもドラマティックなバラードである。

まさに後期レインボーの真骨頂ともいうべきか?

ジョーの魅力が遺憾なく発揮されていると同時にキャッチーだけではなくドラマティックなメロディが素晴らしい。リッチーのギターソロも短いながらもその魅力が凝縮されていよう。

 

三曲目「Fool for the Night」、ストレートなロックナンバー。キーボードが良い感じに彩りを加えている。

四曲目「Fire Dance」、疾走感あふれるスピードナンバーである。ハードでありながらスマートな印象をもった後期レインボーならではの曲。

五曲目「Anybody There」、インストナンバー。リッチーの泣きのフレーズが堪能できる美しい曲だ。

 

そしてアルバムは後半部分へ…

六曲目「Desperate Heart」、キャッチーなミディアムテンポのナンバー。ジョーの力強い歌唱とリッチーの勢いのあるギターソロが光っている。

七曲目「Street of Dreams」、このアルバムのハイライトであろう!後期レインボーの完成形ともいうべき名曲だ。二曲目「Can’t Let You Go」と同様に、コンパクトながらもドラマティックなバラード。

八曲目「Drinking with the Devil」、激しいノリが魅力的なロックナンバーである。

九曲目「Snowman」、インストナンバー。ハワード・ブレイク作「Walking in the Air」のカバー・アレンジである。シンセサウンドがその雰囲気を表現しながらもリッチーのギターが堪能できる美しい曲だ。

そして十曲目「Make Your Move」、ジョーの力強いヴォーカルが印象的な激しいロックナンバーである。

 

アルバムを聴き終えての感想であるが…

非常に完成度の高い作品であると同時にレインボーの完成形ではなかろうか?

ジョーが加入してからの三作品を比べてみれば…

ハードとポップが融合された『アイ・サレンダー』、アメリカンに染まった『闇からの一撃』、レインボーの色が確立された『ストリート・オブ・ドリームス』といったところであろうか?

本作『ストリート・オブ・ドリームス』は、各楽曲が素晴らしいのはもちろんのこと、絶妙なバランスで構成されている。

それに加えて、アメリカ進出を果たしながらもレインボーの「オリジナリティ」が十分すぎるほど伝わってくる。

 

しかし、なぜこのアルバムを最後にレインボーは解散するのであろうか?

1980年代当時の音楽シーンにひとつの答えがあるのかもしれない。

MTVというメディアが音楽シーンの中心的存在となりつつあり、良くも悪くも「流行」が重視される風潮であった。それはハードロックやヘヴィメタルというジャンルにも及んでいた。

「ヘビメタ」という言葉で流行の一端を担っていたのは事実であるが、本来のパワーとアグレッシブからはほど遠いようなきらびやかなサウンドが主流であった。

それと同時に昔からのファンは本来あるべきハードロックの姿を求めていたのも事実だ。

時代はハードロックの象徴的存在「ディープ・パープル」再結成を求めていたのである!

そして、リッチー・ブラックモアとロジャー・グローヴァーはディープ・パープル再結成のためにレインボーを解散させる…

 

最後に一言コメントさせていただこう。

もしもあなたがレインボーを聴いたことがなく「どのアルバムを買えば良いのか分からない」なら、本作『ストリート・オブ・ドリームス』から入っても良いだろう。それくらいに完成度が高い作品なのである。

しかし、レインボーが残した七枚のアルバムを順に追って聴いていけば、バンドの魅力はその歴史にあり!とお分かりいただけよう。

そしてその歴史、有終の美を飾るのが本作『ストリート・オブ・ドリームス』なのだ…

レインボー

リッチー・ブラックモア公式サイト
https://www.blackmoresnight.com/