PYG – PYG!

(1971年作品)

収録曲:

01. 戻れない道

02. 明日の旅

03. もどらない日々

04. サンデー・ドライバー

05. やすらぎを求めて

06. 花・太陽・雨

07. 何もない部屋

08. 白い昼下り

09. ジェフ

10. ラブ・オブ・ピース・アンド・ホープ

11. 祈る




GSムーブメントの終焉と日本ロックのパイオニア

日本のGS(グループ・サウンズ)ブームが過ぎた1970年代初頭、PYGというバンドは結成された。

より「本格的なロック」を演奏することをテーマに、GSブームの中心的な存在であったバンドのメンバーたちで構成されたのである。

ザ・タイガースの沢田研二とザ・テンプターズの萩原健一のツインボーカルをコンセプトに、ギターの井上堯之(元スパイダーズ)、ベースの岸部修三(元タイガース)、ドラムの大口広司(元テンプターズ)、キーボードの大野克夫(元スパイダース)、といったまさに「集結」ともいえるメンバーたち!

その音楽性は「ニューロック」を掲げていたともいわれ、そしてライヴでは洋楽ロックのカバーを演奏するなど、まさに本格的な「ロック」を目指していた。

 

アルバム『PYG!』は彼らが残した唯一のスタジオアルバムである。

今でこそPYGというバンドは日本ロック界のパイオニアのひとつとされているが、その当時の評価は芳しくなかったようである。

アイドル色が強かったGS時代のバンドの看板ヴォーカリスト、沢田研二と萩原健一が手を組むのはあまりにも「ムリやり感」「強引的すぎる感」があったのではなかろうか?

そして、かつてのGS時代のファンにも受け入れられなかったのかもしれない。

 

PYGが残した作品『PYG!』、今では日本ロックの名盤ともいわれている。

だからこそ、じっくりと聴いてみようではないか?

彼らの描く「アートロック」はどのような音楽だったのかを!

 

では、

PYG 唯一のスタジオアルバム

PYG!

についてレビューしていこう。

 

レビュー

豚の絵が描かれた黄色いジャケットである。ちなみにバンド名のPYGは「pig」(豚)が由来となっている。

 

ロックナンバー「戻れない道」でアルバムは勢いよく幕を開ける!

オルガンサウンドから当時のブリティッシュ・ハードロックを彷彿とさせるが、その歌メロと軽快なリズムは彼らならではのオリジナルなスタイルであろう。

二曲目「明日の旅」、ミディアムテンポの落ち着いた雰囲気。所々でブルージーなギターフレーズが色を添えている。

三曲目「もどらない日々」、ツインヴォーカルが活きているバラード。美しい曲だ…

 

そして四曲目「サンデー・ドライバー」、サイケデリックな雰囲気漂う曲であるが、これも当時のブリティッシュロックというよりも彼らならではサウンドとなっている。

さらに五曲目「やすらぎを求めて」、プログレをイメージさせるような曲展開!さらにギターソロも長いこともあり、彼らの演奏力の高さを感じ取れる充実した内容だ!

 

ここまで聴けば、様々なジャンルの曲を土台にしながらも、彼らならではオリジナリティで消化されているのが分かる。

ただのコピーでもなく、消化不良でもなく、PYGのスタイルが感じ取れよう。

 

六曲目は「花・太陽・雨」、ツインヴォーカル、コーラス、歌がメインに展開されていく美しい曲である。

七曲目「何もない部屋」、ブルースロックなナンバー、しかし歌は彼らならではスタイルだ。

 

さらにアルバムは、八曲目「白い昼下り」、九曲目「ジェフ」、十曲目「ラブ・オブ・ピース・アンド・ホープ」、PYGスタイルというべき音楽性で進んでいく。

アレンジ、演奏、メロディ、全ていおいてクオリティが高いのはもちろん、PYGというバンドの個性が光っている!

 

そしてラスト「祈る」でアルバムは静かに幕を閉じる…

 

さすがPYG!と再確認させられる作品だ。

当時の日本はロックミュージックにおいて、まだまだ発展途上であり「本当のロック」を理解できる人間が少なかった、と言えばおおげさであろうか?

なぜなら、時の流れとともにこの作品『PYG!』は日本ロックの歴史的名盤と評価されていくのだから…

そして何よりも、PYGというバンドのコンセプトやスタイルが、彼らならではオリジナリティあふれるところにその魅力がある。

表面的に見れば、ブリティッシュロックに影響された音楽性といった一言かもしれないが、じっくり聴けば「歌」には日本ならではのメロディーが存在するのである!

 

もしも、あなたがJロック・Jポップが好きならば…

日本ロックの開拓者であるPYG、必聴である!

PYG

沢田研二

公式サイト
http://www.co-colo.com/

 

萩原健一

公式サイト
http://www.kenichihagiwara.com/