フライド・エッグ – ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン
(1972年作品)
収録曲:
01. Dr. Siegel’s Fried Egg Shooting Machine
02. Rolling Down The Broadway
03. I Love You
04. Burning Fever
05. Plastic Fantasy
06. 15 Seconds Of Schizophrenic Sabbath
07. I’m Gonna See My Baby Tonight
08. Oke-kus
09. Someday
10. Guide Me To The Quietness
日本のロックを超越したブリティッシュロック的作品!
1971年にストロベリー・パスのアルバム『大烏が地球にやってきた日』を発表した成毛滋と角田ヒロ。その後は高中正義をベーシストに迎えてトリオとなり、「フライド・エッグ」とバンド名を変えて活動を開始する。
そして、1972年に発表されたのが本作『ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン』である。
ちなみに、このアルバムは「日本初のプログレッシヴ・ロック・アルバム」と評されることもあり、日本ロックの歴史においては金字塔的作品ともいわれている。
どこがどう凄いのか?
ドクター・シーゲルって誰?
そのような疑問を持つ方もおられるかと思うが…
今だからこそ、その魅力を再確認できるのではなかろうか?という気持ちで聴いていこう!
それでは、
フライド・エッグ『ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン』
についてレビューしていこう。
レビュー
景山民夫が描いた個性的なイラストのアルバムジャケットである。
ちなみに彼は前作ストロベリー・パスのアルバムのライナーノーツも担当している。
アルバムは一曲目「Dr. Siegel’s Fried Egg Shooting Machine」、ビートルズの「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」を彷彿とさせるような感じで幕を開ける!
もちろん歌詞は英語である。そしてそのサウンドはブリティッシュロック!
そして二曲目「Rolling Down The Broadway」、これもまたブリティッシュロックそのものであろう。ギタープレイに関してはもちろんのこと、オルガンサウンドもブリティッシュだ。
三曲目「I Love You」、ピアノがメインのバックであるバラード。ギタリストである成毛だが鍵盤演奏も素晴らしいのである。
四曲目「Burning Fever」、ベースの高中正義がヴォーカル、勢いのあるロックナンバー。
五曲目「Plastic Fantasy」、これもヴォーカルは高中正義。サイケデリック感漂う曲である。
六曲目「15 Seconds Of Schizophrenic Sabbath」はタイトルどおり演奏時間15秒間のコーラスによる小品。プログレ風な感じである。
七曲目「I’m Gonna See My Baby Tonight」、ブリティッシュ・ハードロックというより、ディープ・パープルそのもの!といった曲であろうか?
そして八曲目「Oke-kus」はELPそのもの!ともいえるプログレだ!
ここまで聴けばお分かりいただけるであろうか?
「ブリティッシュロック」「サイケデリック」「プログレ」…
「日本のロック」はほとんど感じられない。そこにあるのは、成毛滋というミュージシャンが描く「ロック」であり、その理想形であろう本場のブリティッシュロックとして創造されているのではなかろうか?
…そして九曲目「Someday」でビートルズ色全開、ラスト「Guide Me To The Quietness」はピンク・フロイド色全開!
「ブリティッシュ・ロック」をフライド・エッグというバンドで表現してアルバムは幕を閉じる…!
最後にコメントさせていただこう。
本作『ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン』、当時の最先端を知りたければ、ぜひ聴いていただきたい「必聴作品」である!
なぜなら、日本というジャンルを超えた日本のミュージシャンが打ち立てたひとつの金字塔であるから…
フライド・エッグ
成毛滋
Dr. Siegel’s Archives:成毛滋のレア音源
つのだ☆ひろ
http://www.tsunodahiro.com/