Deep Purple – Deep Purple

(邦題)ディープ・パープル『ディープ・パープル III』

(1969年作品)

収録曲:

01. Chasing Shadows

02. Blind

03. Lalena

04. Fault Line

05. The Painter

06. Why Didn’t Rosemary?

07. Bird Has Flown

08. April




第一期ディープ・パープルのラスト作品

アートロックといわれる音楽性でアメリカを中心に活動していた「第一期」ディープ・パープルであるが、本作品『ディープ・パープル III』でひとつの区切りをつけることになる。

ちなみに、この作品がリリースされた後、当時彼らが契約していたアメリカのレコード会社が倒産、それに加えてヴォーカルのロッド・エヴァンスとベースのニック・シンパーの脱退。

自らのバンド名をアルバムタイトルにした、ジョン・ロード主導権による「第一期」ディープ・パープルの最後の作品である。

 

ファースト、セカンド、彼らの独自のスタイルと世界を構築させていたディープ・パープル…

本作『ディープ・パープル III』は「第一期」の集大成なのであろうか?

じっくりと聴いてみようではないか!

 

では、

Deep Purple サードアルバム

Deep Purple

についてレビューしていこう。

 

レビュー

ジャケットデザインはヒエロニムス・ボッシュの描く「快楽の園」より。

暗くも芸術的な雰囲気さえ漂わせている…

 

一曲目「Chasing Shadows」でアルバムは幕を開ける。

イアン・ペイスの独特なドラムが印象的な曲である。それに呼応するようにリッチーのギターとジョン・ロードのオルガンがのっていく。

二曲目「Blind」、アコースティックなクラシカル感漂うミディアムテンポの曲であるが、ギターソロはファズサウンドでスパイスを効かせている。

三曲目「Lalena」、ドノヴァンのカバーである。ロッド・エヴァンスの声とジョン・ロードのオルガンの魅力が堪能できる美しいバラード曲だ。

そして、テープの逆回転のサウンドをバックにしたインストの「Fault Line」から勢いのあるブルースロック「The Painter」、リッチーのギターとジョン・ロードのオルガンの白熱した演奏が発揮されているのではなかろうか?

 

そしてアルバムは後半部分へ…

六曲目「Why Didn’t Rosemary?」、さらにリッチーのギターが勢いよく引っ張っていく!

七曲目「Bird Has Flown」、ロックなナンバー。リッチーのギターに関してはリズムはジミヘン、ソロはクリームのクラプトン、といった感じであろうか?

最後は「April」、12分を超えるドラマティックな大作!このような曲が作れたからこそディープ・パープルは後にハードロックの「様式美」といえるスタイルを構築出来たのかもしれない。

 

アルバムを聴き終えてのイメージを述べさせていただこう。

リッチー・ブラックモアのギターに関しては「枠」を越えようとしていたのが伝わってくる演奏ともいえる。

「枠」とは何か?

ジョン・ロード主導権によるプログレ志向な音楽性、ロッド・エヴァンスとニック・シンパーのポップ志向である。その二点に対してこれからのスタイルを主張していくような作品となっている。

正直いって、トータルバランスにおいては前作『詩人タリエシンの世界』のほうが「まとまり感」があるが、本作にはバランスぎりぎりの緊張感すら漂っていよう。

 

ディープ・パープルの黄金期といわれる「第二期」がこの先に誕生する…

本作品はハードロック・バンドとしてのディープ・パープル誕生前夜ともいえる作品であろう!

ディープ・パープル

公式サイト
http://www.deeppurple.com/