Deep Purple – Who Do We Think We Are

(邦題)ディープ・パープル『紫の肖像』

(1973年作品)

収録曲:

01. Woman From Tokyo

02. Mary Long

03. Super Trouper

04. Smooth Dancer

05. Rat Bat Blue

06. Place In Line

07. Our Lady




第二期ディープ・パープルのラスト作品

前作『マシン・ヘッド』のリリース後、伝説の三夜ともいわれる日本公演、そしてアメリカやイギリスとツアーの連続となるのだが…

その多忙なツアーの合間を縫ってレコーディングされたのが本作品『紫の肖像』である。

そのような状況で制作されたことに加え、メンバー間における不和が生まれ始めていた。

 

結果として『紫の肖像』は、第二期ディープ・パープルの最後の作品となってしまうのであるが、その作品としての評価は一般的には高くはない。

だからこそ、今一度じっくりと聴いてみようではないか?

第二期ディープ・パープルのラスト作品を…

 

では、

Deep Purple 「第二期」のラスト

Who Do We Think We Are

についてレビューしていこう。

 

レビュー

ジャケットデザインは邦題の『紫の肖像』をイメージさせるような雰囲気であろう。

しかし、そこに書かれた原題「Who Do We Think We Are」には当時の彼らの心境を表わしてようだ…

 

一曲目「Woman From Tokyo」でアルバムは幕を開ける。キャッチーなギターリフと16ビート感のあるドラムをはさみながら、力強いヴォーカルがのっていく。ストレートなロックナンバーだ。

二曲目「Mary Long」、ブルージーかつキャッチーなハードロックである。イアン・ギランの渋い歌声が魅力的だ。

三曲目「Super Trouper」、ここでもイアン・ギランのヴォーカルが光っている。ストレートなハードロックであるが、サウンドエフェクトが効果的に色を添えている。

四曲目「Smooth Dancer」、ヘヴィなロックンロールといった感じであろうか?キャッチーなメロディーが印象的である。

 

と、ここまで聴けばイアン・ギランのヴォーカルが引っ張っている作風と感じられる。

もっといえば「歌メイン」ともいえる。

良く言えば、コンパクトにまとまっていて聴きやすい。

悪く言えば、パープルらしくない。

 

そしてアルバムは後半部分へ…

五曲目「Rat Bat Blue」、ヘヴィなハードロックナンバーだ。リッチーのギターリフもヘヴィかつキャッチー、ジョン・ロードのオルガン・ソロも堪能できる。

六曲目「Place In Line」、ブルージーな歌いまわしが印象的なヘヴィなブルースナンバー。それでいてギターとオルガンのソロをフィーチャーした展開、聴きごたえのある曲だ。

ラスト「Our Lady」、バラード風ナンバーである。これまでのパープルになかったような曲ともいえよう。「らしくない」といえばそれまでだが、新たなる境地ともいえる。

 

というわけで…

アルバムを聴き終えての印象を述べさせていただこう。

良くも悪くもディープ・パープルの「隠れた名盤」といえるのではないか?

特にイアン・ギランのヴォーカルが光っている素晴らしい作品である。

それに加えて、幅広い音楽性も感じとれる。

 

なぜ、この作品の評価は高くないのか?

 

その理由は「ディープ・パープルの作品」だからである。

各パートのサウンドは彼らそのものであるが「コンパクトにまとまった感じのヴォーカルメインの曲が多い」というのがディープ・パープルに「ハードロック」を求める人たちの率直な意見であろう。

70年代、ブリティッシュ・ハードロックの二大バンドといわれるレッド・ツェッペリンとディープ・パープルの方向性からも理解できる。

レッド・ツェッペリンはハードロックというジャンルを確立したが、その枠にとらわれずに幅広く自分たちの音楽を展開させていった。

一方、ディープ・パープルはハードロックバンドとして、深くその世界を追求していったのである。その結果、良くも悪くもそのイメージが定着した。

レッド・ツェッペリンとは違い、世間は彼らに「ハードロック」を求めた…

 

最後に一言コメントさせていただこう。

もしもあなたがディープ・パープルを知りたければ、一枚目に買うのはおすすめしない。

なぜならこのアルバム『紫の肖像』は隠れた名盤だからである。

その意味では、パープル・ファンにとっては新たなる彼らの魅力を感じ取れる素晴らしい作品だ!

今一度聴いてみてはいかがであろうか?

ディープ・パープル

公式サイト
http://www.deeppurple.com/